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昭和50年頃から国産材の安定供給が不安視されるようになったことから海外調達を考えるようになりました。当初は、商社を通じてアメリカやカナダ、アラスカなどから材木を調達していましたが、阪神淡路大震災以降、ヨーロッパ(スウェーデンやフィンランド)やロシアなどから自社で調達するようになりました。
その際、独立して商売を行っている元商社マンや長年の取引で懇意になった方々を頼り、諸外国の製材企業を紹介してもらい、時間をかけて、彼等と個人的な信頼関係を築いていきました。また、秋田港に国際コンテナヤードも整備され大変便利になりました。
海外取引の課題は2点挙げることができます。まず1点目に「納期の問題」。当時、コンテナ輸送を扱う韓国便が少なかったことや天候の不順などから安定的な供給が出来ないという状況があったこと。2点目は「品質の問題」。当初、契約していたような品質ではない品物が届いたこともありました。
実際の取引経験を重ねて対処方法を学んでいきましたが、相手との交渉に苦慮することが多く、納期遅れなどに関する完璧な解決方法は無く、普段からパートナーとの信頼関係に気を配り、スムーズなクレーム処理を行ってくれるような環境を構築していくことが大変重要だと思います。これは貿易を行う全ての業種に言えることでしょうか。
また、経費は掛かかりますが納期遅れなどに関しては商社に対応をお願いできます。一方で自社調達は単価を抑えられるものの、リスクは自己責任であり、メリット・デメリットを持っています。リスクが高いところには商社取引、リスクが少ないところには直接取引などという方法はリスク管理として有効と思います。
国産材も活用しながら、今後も外国産材に頼る部分は大きいと思います。また、バランスをうまく取り、事業を進めていきたい。また、木材を輸入し、ボイラー燃料となる木質ペレットを製造するという事業も進めており、エネルギー等の新しい分野にも取り組んでいきたい。