menu
代表取締役社長 金澤太郎氏
ダイナミック・サニートの海外部門である「HYSIA(ハイジア)事業」、HYSIAの由来は「衛生」を意味するhygieneとASIAです。アジアを中心に「日本水準の衛生管理サービス」として、現地企業よりもきめ細かいコンサルティングや社員教育サービス、施工サービスなどを提供しています。
HYSIAは、シンガポールに子会社法人があり、台湾にフランチャイズパートナー1社、他5ヶ国(マレーシア、タイ、ベトナム、インド、オーストラリア)に提携パートナーや顧客が存在します。中でもマレーシアについては2020年内に現地法人を設立予定です。
日系大手食品メーカーの現地工場、日系大手飲食チェーン、その他日系、現地資本問わずに各種商業施設、オフィス、学校、集合住宅などとお取引頂いています。
事業の特徴としては、「日本水準の衛生管理サービス」として現地企業よりもきめ細かいコンサルティングや社員教育サービス、施工サービスを提供して直接売り上げを上げながら、アジアで販路開拓したい日系メーカーや商社に対して市場調査やコンサルティング、顧客紹介など販路開拓の直接支援を行う事でも収益を得ています。
我々のサービスを一番必要としているお客様はどこにいるのか、という事を考えた際、既に衛生レベルの高い日本よりも、発展途上のアジアの方が衛生面の課題は多いのではないかと考えました。実際に現地に足を運び、現場を歩いてみると、その仮説は正しいという事がわかり、事業化を目指すようになりました。
また、海外事業に取り組むことは、国内事業にとってもプラスになると考えました。
海外の現場やお客様と話す事で得られる気づきやノウハウは無限にあり、それを国内事業にも活かす事で、国内の競合他社とは違う、ユニークな事業展開が可能になります。
シンガポールを最初の進出先にした理由は大きくは2つあります。
1つは事業プロセスの効率と合理性の高さです。顧客との契約や請求業務、銀行取引、事業ライセンス取得のための現地当局とのやり取りなど、全てがオンラインで完結し、営業を除いては全て遠隔で可能です。コストを最小に抑えるために現地に人を常駐させず、自分で出張しながら顧客開拓をしましたので、シンガポールは都合の良い国でした。
2つ目の理由は、物価の高さです。1人当たりGDPが日本の倍以上ですので、日本よりも高い料金で受注ができます。
取引先や提携パートナーの決定は、完全に個人的な信頼関係がベースになっています。海外で事業を行う場合、予期せぬ事態は日常茶飯事です。ちょっとした困難が発生した際に、逃げずに一緒に頑張ってくれるパートナーが必要です。そのようなパートナーを見つけるために、数年かけて現地の業界コンベンションに積極的に参加したり、国内業界で海外通の経営者の方々などに各国で信頼できるパートナーを紹介してもらったりしました。国内で仕事をする場合も一緒ですが、やはり信頼できる方からの紹介というのは心強いし、何かあった時に裏切られる可能性が低くなります。
秋田の社員のモチベーションが上がりました。実際に海外の現場仕事に若い社員を連れて行ったり、海外提携パートナーの社員さんを秋田に連れてきて、社員の実家にホームステイしてもらうなど、人材の交流を積極的に行いました。
秋田にいながら国際的な仕事に関われる、海外で得た知見が秋田でも活かされる、そのような体験をする事で、仕事が面白いと感じてくれているようです。
また、業務提携という観点から、アジア・オセアニア地域に進出したいとされる企業様の市場調査・販路開拓等をお手伝いすることも増えてまいりました。当社の衛生サービスの知見や海外ネットワークを活かしながら、その企業様と一緒に現地向け新サービスを作っていくことで、新たなビジネスモデルが生まれつつあります。自社サービスを展開させたことによって、予想していなかった波及効果がでてきました。今後も様々な企業様と提携し、サービスを展開していきたいと考えています。
なぜ海外展開なのか、という事に対して明確な答えを持ち、本気で取り組む事だと思います。わざわざコストをかけて進出し、その上で現地企業との競争に勝つ必要がありますので、なぜ自社の商品やサービスが現地で必要とされ、どうやって展開していくのかという戦略が必要になります。国内で収益を上げるよりもハードルが上がりますので、困難にぶつかるのは当然の事として、それでもやり続けたいという意思が必要になります。
一方で、やり切る意思があれば、日本の商品やサービスというのは品質が高く、現地では手に入らないものが多々あり、勝ち目は十分にあると思います。
国内においては仙台にも営業所を出し、東北全域のお客様にサービス提供できる体制を作り、現在の3~4倍の事業規模にしていきたいと思っています。
海外においては、アジア・オセアニア主要国全てに営業拠点を持ち、国内事業以上に大きくして、胸を張って「秋田に本社のある国際企業」と言えるようになりたいです。